台湾 台北へいくなら占い横丁と台湾料理の梅子

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お酒はずいぶん前にビールから紹興酒に変わっている。テーブルの上には、竹の子の刺し身、空芯菜の炒めもの、カラスミとネギ、アサリの酒蒸しなどが所狭しと並んでいる。もう少しすれば、蟹おこわが出でてくるはずだ。二人とも酔って声が大きい。

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美味しいレストラン梅子で、お下品な話を

前に座る女性の声は大きくなるいっぽうだ。「おかしいでしょう。店にクレームいれるなんて。それも、いったくせに!」彼女の言う「いく」は、もちろん学校に「行く」とは違う。言葉使いも粗くなっている。「店に文句いうならいくなちゅうねん。信じられへんわ、いったくせに」お怒りは大きい。私も気をつけよう。

ここは台北の林森北路にある梅子というレストランである。スタッフは、日本語が堪能だし小皿もしょっちゅう取り替えてくれるので日本人に人気がある。料理は美味しい。前を少し歩けば、KTVがいっぱいある通りである。ここで腹ごしらえしてKTVへ行く人もいるかもしれない。

なぜ二人はここで食事をしているのか。賢明な方はもうお気づきだろうが彼女は風俗の女性である。昼は大きいというより誰でも知っている会社で働き、夜は大阪の高級デリヘルのスタッフである。なぜデリヘルで働いているのか、それも基盤OKと言われる店で、それは謎である。聞きたいけれど聞くのは野暮というものだ。

彼女のお客になって一年くらいになる。私のどこが気にいったのか分からないが、ある日ベッドの上で台湾へ行きたいと言い出した。私は驚いた、一泊二日となればいくらくらいかかるのか。彼女が所属するのはなにしろ高級店なのだ。

旅の教訓 台湾へ エバー航空は時間帯が良い

その気持がわかったのか「お店とは関係ない、個人で行こうよ」と囁く。その一言で再び元気になったがタイマーが無常にも鳴る。その後はラインのやりで日程が決まった。個人で行くと言ってもある程度のお小遣いと旅費はいるだろう。お小遣いは決まった。次は飛行機のチケットだ。

そこで困ってしまう。彼女のパスポートナンバーと生年月日がいる。いくらなんでも、それを私に教えてくれるはずがない。客に素性を教える女性はいないだろうと思っていたら、本名とパスポートナンバー、生年月日がラインがやってきた。ほんとうに良いの。女性のこの感覚が分からない。

行きはエバー航空に乗ったが、登場するまでの背徳感が堪らない。桃園空港からリージェント・タイペイ(台北晶華酒店)についたのが14:00前という微妙な時間だった。小籠包が有名なディンタイフォン(鼎泰豊)やガイドブックに乗っているお店は、14:00〜17:00まで休みが多い。昼飯難民になりそうだ。

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旅の教訓 行天宮の占い横丁はパワースポット

ホテルのコンシェルジュに教えてもらった可愛いカフェで軽い食事をとってから占い横丁へ向かう。台北には占い店が集まる地区が何ヶ所かある。今回は行天宮駅の近くの地下街にある占い横丁へ行く。いつもなら台北捷運中和新蘆線で行くが見栄をはってタクシーにした。

交差点で降りて地下へ入ると、通路にお店がずらっと並んでいる。おじさんの店もあればおばさんの店もある。どの店も日本語がOKらしい。日本の芸能人もよく来るらしく高田純次さんの顔がバーンと貼ってある店がある。台湾の女性も占いが好きらしくお客が多い。

占いは彼女の旅の目的のひとつで、転職を考えているのでその是非を占ってもらうそうだ。夜の職業は続けて欲しいと願いながら1000元を払う(もっと安いコースもあります)お金を払うとすることがない。ブラブラと他の店を見て歩くとアジアらしく呼び込みが結構強い。振り返ると彼女が女性の占い師と真剣に話している。横顔が可愛い。

女性と台北へ行くならぜひ占い横丁へ行くべきである。絶対うける。その後101ビルへ行ってから梅子へやって来た。その梅子でなぜ彼女が怒っているのか、それは私のせいである。酔っ払って話を風俗にふったからだ。自分では面白いと思っているバイブ三連敗の話をしたのがいけなかった。

男、三連敗する

男性は、女性をいかせようとする本能を持っている。プロの女性にとっては迷惑なだけらしいが、ついい頑張ってしまう。この「いく」は買物に「いく」の「いく」ではない。欧米ではCOMEというらしい。女性にとってCOMEの方がふさわしい気がするが残念ながら男には分からない。

あるとき、大阪のある場所で「いか」そうと頑張ったことがある。相手の女性はいい加減疲れたのだろう、結果は「ごめんなさい、バイブでないといけないの、あなたがいって」だった。やんわり拒否されてしまった。また別の日は終わった後に「何かモヤモヤする、バイブでいっていい」ときた。その姿をはたいへん結構なものだったけれど、敗北感は否めない、なんだかである。

とどめは「バイブ使っていいですか」だ。上に乗った女性が言う。「いいけど」彼女は嬉しそうにバイブを取ると繋がった部分にあてがう。彼女の中の不逞の息子に振動が伝わってくる。う〜ん、これは初めての感覚と感心していたら、絶頂に達した彼女が覆いかぶさってきた。これが私のバイブ三連敗事件である。

濃密な果実 能美真奈

旅の教訓 言葉がわからないと大声で話すのは止めよう

これをきっかけに風俗の話になり、酔っぱらうにつれて声が大きくなった。彼女は長い髪に大きな瞳の清楚な顔立ちをしている。アメリカ風に言えば他人に見られるのに慣れている美女である。そんな美人が酔っている、それも相手は冴えないおっさんである。注目されないわけがない。

私も、外国、美味しい食事と酒、美女同伴ときては酔わないわけがない。話はますます盛り上がり下品になっていく。とても面白いのだが、日本人のような客が多いのにふと気付いた。スタッフは日本語がわかる。私たちの話はみんなに聞かれていたのではないか。

少し恥ずかしくなった。人は知らない土地へ行くと気が大きくなる。「旅の恥はかき捨て」という言葉もある。まして、ここは台湾、言葉は分からないと気持ちが緩んだ。これを気をつけないといけない。政治や社会の話はトラブルになることもある。韓国の居酒屋で反日の話題をしてやっかいな事になった例があるそうだ。

彼女の声はますます大きく内容は過激になっていく。まぁシモネタぐらいだったら良いか。でもそろそろホテルへ帰りたいのに彼女は気楽に宣言する。「これから、士林夜市いきた〜い」勘定を払うとき、スタッフの目が笑っているように見えたのは気のせいだったのだろうか。

まぁ仕方がないか。世の中「いく」ばかりでもないだろう。夜市へいって、また飲んでホテルへ寝るだけでも良いかもしれない、もう眠いし。そんなとき彼女がヤクルト入りレモンジュースを飲みながら「アレ、私持ってる?」持っていない訳がないです。夜市がいっそう華やかに見えてきた。

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