大阪 風俗 サクッと松島新地は良いところ

日本

「ここはね、お店にシャワーがあるの」カナちゃんは自慢そうに言う。彼女によると飛田新地には無いそうである。松島新地は初めてというと、いい年をして初めて来たのを可哀そうと思ったのか、優しく説明してくれる。彼女はまだ20代前半に見えるスリムな女の子だった。

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大阪に残る昭和の面影

今日は部屋へ上がるつもりは無かった。九条駅の近くに用事があり早く終わったので、噂に聞いていた松島新地を見てみようと一画に踏み込んだら、健全な商店街のすぐ傍に別天地が広がっていた。小さな置屋が軒をつらねておばちゃんや女性が店先に座っている。入り口はカウンターのようになっていて下から強いライトが女性を照らしている。

光に浮かび上がる女の子はみんな若くて綺麗に見える。そんな娘が笑顔で手招きしてくれるのだ。見るだけという理性は簡単に崩壊してしまった。街は大まかにいうと広い通りが十字に交錯して両側に店が並んでいる。後で教えられたのだが、縦の通りは普通の若い女性が中心で横の通りが熟女やマニアックな女性がいるらしい。マニアックって何だろうと気になる。

通りはどちらが縦か横か分からないが、私が上がったのは普通の店だった。ひときわ可愛く見えた女の子がいる店を選んだ。玄関のおばちゃんにお金を払って階段を上る、六畳くらいの部屋にベッドとちゃぶ台、壁に料金が貼ってある。照明は暗く、まさに昭和の初期、墨東奇譚か四畳半襖の下張りか、もしくは新東宝の世界である。

バイアグラが欲しい

こんなところがまだ日本にあったのか、カナちゃんはまったく現代の娘である。彼女は驚く私を見つめながら優しく微笑む。なぜこんな娘がここにと言いかけて止めた、人には色んな事情があるのだ。それよりも急がなくてはいけない。シャワーも含めて30分しかない。これがスタンダードだった。

更に短い20分コースもある。そんな短時間で終われるのだろうか、若いとできるのだろうか、とうに忘れてしまったが今はドーピングでもしないと到底無理である。「身体を拭いたらベッドに寝て下さいね」彼女の言葉に未だ30分以上あるようなゆとりを感じる。いつもはどんな男を相手にしているのか、階段を上がる時から固くしているのだろうか。

このスタンダードが16000円、10分伸びると21000円だから安くない。あくまでも20分から30分で遊ぶところなのだ。「キスはいいの」「うん」「胸もいい」「うん」彼女が笑顔でうなづく。ええ子やないか、レビトラを飲んできたら良かったと後悔するのだった。

薬の調達 大阪紳士クリニックの客はみな無口だった

大阪の梅田、阪急ホテルのある通りの反対側、賑やかな通りから地下へ一階降りた静かなフロアに大阪紳士クリニックがある。この医院の専門はハゲとEDである。なんと男らしい専門なのだろう。医院のドアを開けるといつも数人の客がいる。受付の会話は少ない、客はバイアグラ何錠とかシアリス5個と注文する、スタッフは代金を告げカードか現金かと聞くだけだ。診察はあるが治療は薬のみである。

男たちは、薬を受け取ると少し微笑み、周りを見回すと真面目な顔になって薬をしまい込む、そしてそそくさと立ち去る。薬を買った後ろめたさと後のお楽しみを考えると頬が緩む、その感情が入混じって複雑な表情になるのだろう。客はひっきりなしに訪れ最低限の言葉を発して無言で去って行く。賑やかな大阪にある沈黙のクリニックだった。

大阪の文化は奥が深い

ホンワカパッパ ホンワカホンワカ…大阪人なら直ぐにメロディーが浮かぶ、ご存じ吉本新喜劇のテーマである。元は1918年に作られた「Somebody Stole My Gal」(女を誰かにとられてしまった)という曲である。新喜劇で流れるのは、Pee Wee Hunt氏がデキシーランドジャズ・スタイルで演奏した曲だ。

吉本興行は芸能界に大きな影響力を持つだけでなく大阪文化の代表にもなっている。新喜劇は大阪風に言うと「しょうもない」ギャグを連発する舞台劇である。阿呆みたいな言葉と仕草のやり取りがせっかちに繰り返される。その笑いに深みは無いが単純に面白い。

料理にすれば、蘊蓄や高尚な言葉で解説される高級料理でなく、食ったらストレートに美味いファーストフードである。たこ焼きやお好み焼き、ネギ焼きの粉もん、二度漬けあかんの串カツ、カスうどん、肉うどんからうどんを抜いた肉すいなどは、単に美味いか不味いかであって難しい評論の入る余地がない。単純かつストレート、速さが本質の勝負なのだ。

今の大阪は吉本ばかりが目立っているが、その他にも、泉鏡花や織田作之助が描いた船場の大阪商人の世界、着倒れ杭倒れという金の使い方、松竹新喜劇や浄瑠璃の人情物みたいな上品で優雅で人間味のある文化も残っている。それが大阪人のストレートな気質に陰影を与えて、大阪を奥の深い街にしている。

サクッと一発、客と娘のウィンウィンな関係

サクッと一発、早い、可愛い、ごちゃごちゃした前技はいりまへん。さっとやって、さっと仕事に行きなはれ、それが大阪でっせ、なのだ。良くも悪しくも商売と同様に活気に満ちている。そんな大阪人の気質が他の地方では廃れていった飛田や松島という置屋街を残してきたのだろう。やるじゃないか大阪などと考えていたら、カナちゃんから声がかかった。

「上になっていいですか、時間が無くなりますよ」「ハイ」直な返事をしてしまう。彼女は返事を待たずにもう乗っかっている。少しの間動いてもらい「ありがとう、このへんで良いよ」「なんでいかへんの。わたしがあかん」「年だからいかないんだ」「もったいない」「カナちゃんを味わえたからいいんだよ」「そんなもんかな」などと言いながら後片付けをする。「ありがとう」階段を降りると彼女とママさんが見送ってくれた。

ちなみにカナちゃんは一日10本を抜いたこともあるそうだ。30分で10本とすると約5時間、取り分50%で80000円・・・どうせあそこを使うなら、高級デリヘルでお客に気を使うよりこちらが良いのかもしれない。求める方も与える方もサクッで済ます、ウィンウィンの関係である。だから可愛い娘がいる。大阪らしいなと妙に納得した夜だった。

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