インドネシア パラダイススパを求めてジャカルタへ。

インドネシア

伽羅、羅国、真南蛮、真那珂、佐曽羅、寸聞多羅、このなんとも難しい言葉は、江戸時代まで使われた東南なジアの地名である。今は香道で使われるお香の名前になっている。香道は香木を燻らせて香りを聞いて種類を当てる雅な芸道だ。香道はお香の香りは嗅ぐのではなく聞くという。髪をきりりと結い上げた和服の女性が白魚のような指で香炉を支えてその香りを聞く。なんとも閑雅な風景ではないか。

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お香は東南アジアからやってきた。

お香の種類は原産地国である六国と、香りの五つの風味である五味で表される。最初にあげたのが六国である。伽羅(きゃら)はベトナムで産出される最高級の香木。羅国(らこく)はタイ産の沈香。真南蛮(まなばん)はベトナム産の沈香。真那伽(まなか)はマラッカ経由で渡来した香木。佐曽羅(さそら)はよくわからない沈香。寸聞多羅(すもたら)はスマトラ島産の沈香である。

香道は平安時代に貴族の遊びとして始まり室町時代に作法が確立された。香木は、その頃にもう遠く離れた国から渡ってきていた。寸聞多羅(すもたら)は今のスマトラ島でインドネシア最大の島である。インドネシアの首都ジャカルタはその隣のジャワ島にある。

ジャカルタから渡って来た有名なものがもう一つある。ジャガイモである。17世紀の始めオランダからジャワ島のジャガトラを経由して長崎にやってきたた。ジャガトラは今のジャカルタ、ジャガタラから来たのでジャガタライモ、それが短くなってジャガイモになった。


東南アジアからは色んなものがやってきた。日本からは銀や刀剣、漆器などが輸出された。貿易のために小さな帆船で大海に乗り出した男たち、さぞかし過酷な航海だっただろう。日本からマレー半島へ行くの4ヶ月くらいかかったそうだ。その勇気に驚くばかりである。

それに比べると現代科学の産物、飛行機のなんと楽なことか。ビールを飲んで一眠りしたら11時間くらいでインドネシアの首都ジャカルタ、スカルノ・ハッタ国際空港に着いてしまう。大阪からジャカルタの直行便は無い。大阪差別である。それもあって今回は奮発してJALを利用、羽田で乗り継いでやってきた。今回の目的もすこぶる不純である。

旅の教訓 ジャワ島へ行ったらボロブドールの遺跡を見よう

そんなことを考えているうちに飛行機は着陸体制に入っている。インドネシアは、赤道付近に広がる島の数が1万7千を超える大群島国家である。スマトラ島やジャワ島、スラベシ島やカリマンタン島など大きな島がある。国の人口2億8千万、そのうち半分がジャワ島に住んでいる。

ジャワ島に有名なボロブドール遺跡がある。カンボジアのアンコールワット、ミャンマーのパガン遺跡に並ぶアジアの3大仏教遺跡と言われる。アンコールワットはヒンズー教の影響が強いが仏教との複合遺跡である。ジャングルの中の開けた土地に高さ33mの遺跡が建っている。遺跡には釈迦の人生や上座部仏教の教えを表現した精緻なレリーフがある。

数々の仏像やストゥーパが見ものだが、熱帯の日差しの中に静かに佇む遺跡全体の雰囲気が素晴らしい。この光景は日の光に弱いオヤジでも感動する。遺跡があるジョグ・ジャカルタまで、ジャカルタから飛行機なら1時間ちょっと、電車なら11時間くらいで行けるから、ジャワ島に行かれたら是非行って頂きたい。もう随分昔にいった話だから雰囲気は変わっているかも。

罪作りな料理 屋台のサテ

空港から電車でジャカルタに行くまで、線路の側に貧しい人の住む安普請の家が続いている。その光景は街の中央の高層ビル群と大きなギャップがある。貧富の差は激しそうだ。だが治安は良いらしい。それは南アジアの温暖な気候によるものか、イスラム教の教えによるものかわからない。だけどインドネシアはイスラム国のなかでも他の宗教に寛容なようだ。大きなモスクの近くに大聖堂が建っていたりする。

ただイスラム国だから公の場所、屋台ではアルコールは飲めない。これが辛い。アジアの旅の楽しみは雑踏にあり、屋台で飲むのを最上の喜びにしているものにとっては辛い。そのうえ出てくる料理がビールに合うのである。

屋台の名物にサテーという串焼きがある。鶏や牛、ヤギをタレに漬け込んで炭火で焼く。屋台ではモウモウと煙を出して焼いているのでいい匂いが漂ってくる。鰻は匂いで食べるというがサテも匂いで食べさせると言って良い。サテアヤムが鶏、サテカンビンがヤギである。値段は大体10本で15000ルピー(150円くらい)と安い。

屋台によって色々と味付けやソースが違う。どんな味付けでもビールに実によく合う。ビールが飲みたければレストランにいけば良いのだが、やはりこういう料理は、ビールと一緒に屋台やフードコートで汗をかきながら食べたいものである。できないのは残念だが仕方がない。郷に入れば号に従えである。

屋台では飲めなくても屋内のバーやホテルの屋上のバーなど飲める所はたくさんある。ビールも国産のビンタンがあるくらいだ。しかしアルコールが飲めない人たちがなぜこんなにビールに合う料理をつくるのか、罪作りで不思議なことである。

昭和のサラリーマンは元気だった

いつものことだが今回の旅も短い。そのうえ一人なので現地に住む知り合いが頼りになる。以前は案内を海外駐在の現役社員にお願いしたが、彼らも偉くなったり日本に帰ったりで段々少なくなってきた。頼りは退職して現地に居着いている先輩たちである。彼らは時間がたっぷりあるので喜んでつきあってくれる。今回は技術職を引退してジャカルタに住んでいる渡辺さん(仮名)にお願いした。メールやラインというのは便利なものだ。

ホテルのロビーでの待ち合わせである。「かもちゃん、久しぶり」「こちらこそ、変なことをお願いして申し訳ありません」「いやいやこちらも退屈しているから。ときどき日本語を忘れそうならからちょうど良んだ」「日本へは帰ってはるんですか」「ときどきね。嫁さんも親もいないし。たまに孫の顔を見に帰るくらいだね。嫁さんと孫とこっちの海で泳ぐのが夢だったんだけどね」

彼は奥さんを60歳くらいで亡くしている。長く東南アジアに単身赴任していたので奥さんと過ごす時間が短かった。奥さんは癌が見つかってからあっと言う間に亡くなったそうだ。もっと旅行や食事を楽しんだらよかった。それが心残りだ。海外旅行先に長くいるのに旅をしていないって変だねと笑う。昭和のサラリーマンは多かれ少なかれそんなものだった。仕事が全てに優先した。そうして日本経済を発展させてきたんだとしんみりする。「いかんいかん、しんみりさせてしまったね」

旅の教訓 ジャカルタの風俗地図

話題を変えるときだった。「ジャカルタは以前二回きたことがあるのですが、あまり遊べなかったんです」「君の好きものぶりは有名だものね。気がきかないやつが多かったんだ」「いや、イスラムの国では宗教警察があって踏み込まれたから国外追放だと驚かされてビビったんです」「そうか、そんな事も言ったね。でも全然心配ないから」「そうですか。いひひ」さっきのしんみりはどこへ行ったのか、もうすっかり好色オヤジの顔である。

「ジャカルタの風俗は、パラダイススパ、ホテル置屋、KTV、マッサージ、立ちんぼが中心だね。最近はデリヘルも増えているけど、料金が高いのとシステムが店によって違うので難しい。美人はいるらしいけど。ジャカルタは東京より大きいから、風俗店は吉原や歌舞伎町みたいに地区別になっている。まぁ、そこにしか無いというわけではないけどね」

スパやホテル置屋はモナスという地区にある。KTVはブロックM、ここは商業地区で日本人も多い。地元向けの置屋はコタインダーという繁華街にある。またASEAN駅の近くにはマッサージや立ちんぼがいる」「外で酒は駄目で立ちんぼは良いんですか」「イスラム教の性の考え方は、キリスト教や仏教と少し違う。イスラム教は性をタブーにしないんだ。売春も禁止していない、公序良俗に反することは駄目というスタンスなんだ」「へぇ、そんなもんですか」 

旅の教訓 小手調べはパラダイススパ

「今夜は屋台でお腹を膨らしてバーでちょっと飲んで、パラダイススパへ行こう。ここはぼったくられる心配は無いし綺麗だし、女の子のレベルも高い。ジャカルタ初心者にはぴったりだ。ホテルの中にあって、入場料15万ルピア(1000円くらい)お遊び代は80万〜250万ルピア(7000〜22000円くらい)だ」「マカオのサウナみたいな感じですか」「そうほとんど一緒だね、ネットで有名な1001スパで小手調べと行こう」

「じゃ、そろそろ行こうか、タクシー呼ぶよ」彼はスマホを触っている。「Grabですか、やりますね」「当たり前だよ、僕が使ってるのはGojekだけど。こちらが安いんだ」GrabやGojekはぼられる心配がない。タクシーにボッタくられたり強盗に会うよりは遥かにましだが、昔のような不安やドキドキ感がないのは海外の旅の喜びが減るような気がする。そんな事を思いながら出発した。

パラダイススパへの期待が高まる。同じイスラム国のマレーシアはスパに現地の女性がいなかった。タイの女性にお相手をしてもらった。気立ての良い娘だったがやはりマレーシアの女性に会いたかった。今夜はどうか。インドネシア娘に会えるのだろうか(続く)

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