漢服を来た美女が小さな橋の上に跪いて涙を流している。細面の顔に大きな瞳、真っ赤な唇が艶やかに光る。美女の傍らに「父の葬儀を出したいので私を買ってください」と看板が立ててある。やがて金持ちそうな男がやってきて話しかけると、彼女は潤んだ瞳で男を見上げて頷いた。

中国産のアダルトビデオ、麻豆伝媒映画
男は彼女を家に連れて帰り豪華な衣装に着変えさせる。どうせすぐ脱がすのだから、そんな面倒な事をしなくても良いと思うのだが、男の性癖は多様だから何か意味があるに違いない。男は美女の前に立って自分の服の裾を捲りあげる。彼女は男を見上げながら出された物を手にとった。しばらくして彼女の服が脱がされると中国女性らしい柔らかそうな身体が出てくる。どうして外国の女性はこんなに色っぽいのだろう。
これは現実の話ではなく短編映画である。最近ポルノハブで発見した麻豆伝媒(マードウチゥァンメェィ)が配信している動画の一つだ。この会社は2019年にヌード撮影プロダクションとして中国で設立された。同時期にAV作品の配信を始めるとコロナの期間に急成長して、今や公式サイトの会員数2000万以上、作品数1500以上を誇る巨大プロダクションになった。
作品は台湾で制作され女優も台湾人が殆どのようだが、台湾人と中国人の区別は難しいのでどちらが多いか分からない。ただ中国の会社を強調するため俳優は中国大陸のアクセントで話すことが要求されるらしい。字幕もすべて簡体字である。日本のAV作品から発想を得たと見られる作品が多いが、違うのは一本が15分くらいと短いことだ。日本のAVは早送りをしてしたいシーンが結構ある、そんな部分はあらかじめ省いてしまえ、という中国的合理性の現れだろう。

チャイナドレスの美女とお風呂
アジアのAV市場は日本製品が質量とも大きなシェアを持っている。どこの国へ行っても日本のAVばかりである。その状況に中国の若者から中国語の作品を見たいと言う声が増えた。会話の内容が理解できることは重要だと、アメリカやヨーロッパのポルノを見るたびに思った。やっている二人は必要なくても見る方にはいる。麻豆はそのニーズを上手く捕まえた。
会社が大きくなってからは世界中から女優を募集するようになっている。ただ中国ではAVは厳密には違法だ。現在はグレーな状態で許可されている。またAV出演は労働とみなされない、あれは立派な労働のような気もするが、だから就労ビザが発行されない。ビザを持たずに出演しギャラをえると違法労働となる。外国人が出演するのは色々とリスクが大きい。特に日本人は何かと理由をつけて拘留されるから注意が必要だ。日本人も何人か出演しているが日本で撮影しているようだ。
脚本は日本を真似しているとはいえ、演出やカメラアングルは良く、早送りしないといけない部分が無い。なんとなくドラマ性もある。日本と比べると雑ではあるがなかなか見せる。そして女優が魅力的である。スタイルが良くて巨乳で大人の雰囲気が漂う。顔も身体も中国人らしい美人が出てくる。

中国のお一人様性市場は巨大である
そんな作品のなかに昔の中国や戦前を舞台にした時代劇がある。古い衣装を纏った美女が、当たり前だが、中国語を話しながら交わる、これが異国情緒を感じさせ欲望を掻き立てる。冒頭の作品もその一つだ。タイトルは「清純嫩穴卖身葬父」訳すと父親を埋葬するために無垢なオ◯◯コを売るとなる。とても過激である。
「国風按摩」は戦前の雰囲気が漂うシリーズである。訳すと中国風マッサージ・パーラーになり、日本でいえばの高級ソープのシリーズである。チャイナ姿の妖艶な美女がたくさん出てくるのが楽しい。これを見て中国の独身者が夜な夜なかいているかと思うと感慨深い。日本のオヤジも見てかくがその人数は微々たるものだ。
中国は一人っ子政策のせいで男余りの社会だ。人の男女比は自然な状態だと女性を100に対して男は102から107になる。男の子は女の子より弱いので少し多く生まれる。中国は男の比率が118と圧倒的に多い。たいへんに歪んだ社会である。中国の一割の男はオギャーと生まれた瞬間、相手が居ない世界に放り込まれる。更に適齢期になっても超高学歴で高収入でないと結婚ができない。独身男が溢れているのが中国だ。
2020年にはそんな結婚ができない男の数が3500万人に達している。カナダの人口が約3800万人だから一国が独身男性で満たされることになる。なんという地獄であろうか。その人数の男たちが、毎夜オナニーによって精液を発射する。その量は一回3ccとして一晩に約105トンだ。白髪三千丈の国とはいえなんとも壮大な光景である。

進化するラブドール
だから中国では独身向けの性産業が盛んになる。AV以外にもラブドールも重要になっている。一人の中国青年が日本の職人技を学んで母国に持ち帰りラブドールの会社を起業した、いわゆるユニコーンである。彼の会社がつくるラブドールはとても美しく中国のお一人様を魅了した。会社は急成長し彼女たちはもの凄い勢いで進化している。
中国はAIやロボット技術が急速に発達してるから、AI搭載のラブドールが生まれるのも時間の問題だろう。政府も結婚できない若者の不満のガス抜きのために規制はしない。AIラブドールは事前にデータ入力が必要だとしても、一旦スイッチを入れた後は、優しくささやき、柔らかい手でつつみ自分の秘所に導いてくれる。喘ぎ声を出し最後に「もうダメ、いっていい、イクイク・・・」なんて言われたらもう堪らない。
その上彼女たちは、不潔なのは嫌い、あれが欲しい、イケメンでないとヤダ、とか文句を言わない。3500万人のニーズは大きい。彼らの欲望はラブドールを更に進化させるだろう。そんな機能のラブドールが誕生したら中国の人口が減り世界平和につながるかもしれない。完成したら一体欲しいものだ。
とにかく中国の独身男性向けの性の需要は大きい。動画やラブドールやテンガなど性産業市場はますます大きくなるだろう。この分野で圧倒的な優位を誇ってきた日本もおちおちしていられない。ただ中国の性産業は政府の決定次第で突然消滅する可能性がある。首席がAVはいけないな、ラブドールは退廃的だと一言いえば直ぐに無くなる。だが今のところは家にいて中国美人のあられもない姿を楽しめる。ありがたいことである。

日本の伝統文化を守ろう
性文化や性産業は、独裁主義や宗教原理主義社会に馴染まない。日本は国民の大部分が仏教徒であるが八百万の神も尊敬する緩い社会である。アメノウズメノミコトが天ノ岩戸の前で踊ったように昔から性におおらかな社会だった。日本のアダルトビデオは、アニメが鳥獣戯画や北斎漫画の系譜であるように、絵巻物や浮世絵の伝統を継ぐものである。この素晴らしい文化は守らないといけない。
動画の話に戻ると、日本の動画と大きく異なる点がもう一つある。男優が必ずコンドームを装着しているのだ。時代劇にゴムは変だろうと思うのだがそれはそれで興奮を誘う。中国はお金が儲かれば何でもありだけど、そこだけは妙にきっちりしているのが不思議である。


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