日本   ロシアンパブ ウクライナ美女は涙を流した

日本

「悲しいです、友達が帰ってしまった」と美女が涙ながらに語る。金髪、緑の目、高い頬骨、細おもての顔、どこの国の男でも美人と言うだろう。マスカラはとうに崩れて涙と一緒に流れている、緑の目は悲しみでいっぱいだ。

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金沢のロシアンパブ、ウクライナ美女は酔った

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金沢のロシアンパブの一席、私の側に3人の女性が座っている。その一人であるイレーナは、あの子が帰ってしまったと嘆きながらウィスキーを飲み続けている。傍らの娘がロシア語で止めるがきかない。ボトルは目に見えて減っていく、どうしよう。二人の娘はイレーナを見ながら呆れた顔でごめんなさいといった。

ボトルが減っていく恐怖に震えながら、もう一本もらおうかと鷹揚なところをみせる。彼女はますます酔っていく。これはもう、店というより家にいるようだった。父親と二人の友人が悲しみのあまり酔っ払う娘を慰めている。仕事という仮面がとうに外れた本音の世界である。これも悪くないが、お金を払うのは私なんだと心の声が聞こえる。

彼女たちは純朴だった

彼女たちの多くはハバロフスクやウラジオストックから来ているが、イレーナはウクライナから来ていた。遠い祖国から一緒に来た親しい友人が帰国した、もう会えないかもしれない。彼女たちは日本女性に比べてはるかに成熟した容姿をしているけれど、まだ20歳を超えたくらいの年なのだ。悲しみが大きいのは仕方がない。

日本人はおとなしいと言ってもの酔っぱらいの相手は楽しい事ばかりではないだろう。そう思うと、スケベオヤジの人格は小さくなり父親の人格が大きくなってくる。泣きたいだけ泣いたら良い。請求書にビビりながらも、彼女が店のスタッフに叱られないようにシャンパンでもとろうかと考えていた。

私は一介のスケベオヤジであり、酒場や風俗や働く女性たちをこよなく愛する者であるが、若い娘が風俗で働かねばならない社会的背景は憎む。風俗で働かなくてもよい社会になるのは望むが、今働いている娘の目的には協力する、更にあわよくばと考えるが私のなかに矛盾はない。

その頃のロシアや東欧は貧しく多くの女性がダンサーとして日本に働きに来ていた、今もタイあたりにロシアから働きにいく女性がいるが彼女たちは生粋のプロだ。それに比べ、当時日本に派遣されてくる女性たちは風俗の世界に初めて入る娘が多かった。素人がお金儲けのために風俗に飛び込んだのだ。

東欧の女性たちを苦しめるプーチン大統領を非難する

彼女たちは日本女性が失った純朴さや謙虚さがあり(錦糸町や新宿で働くスレたベテランは別です)そこに惹かれる客も多かった。ダンスタイムに「背が高いね」と言ったら、慌てて靴を脱いで「ごめんなさい」と謝ってくる。

109(金沢にもあった)で服を買ってあげる(オヤジです)と、女性が服を選ぶのに時間がかかるのは世界共通であるが、彼女の選び方は少し違った。気に入った服の値札を見て次に移るのを繰り返した。遠慮しているのである。情け容赦ない六本木のお姉さんたちとは大違いだった。

閉店が近づき客が減ると、みんなでステージにあがりモーニング娘のラブ・マシーンやジンギスカンを歌った。アフターで焼肉屋へ8人くらいでいき、こちらは懐の心配をしているのに、酔った女性が店のおっちゃんに抱きついてキスをしたりする。金を払うのは俺だぜ〜と叫びたいときもあったが楽しい時間だった。

そんな彼女たちも、数年たつと法律改正と東欧の国が豊かになったせいか来なくなり、店もなくなった。少し残念だが仕方がない。たまに街でベビーカーを押す東欧系の女性を見かけるが、その頃に日本人と結ばれたのだろう。相手の日本男性は幸せだと思う。

彼女たちは今祖国で幸せにしているのだろうか。ウクライナ侵攻の映像を見るたびにそれを思う。ポーランドの国境で悲しみにくれる女性と子供たち、崩れ落ちた建物の前で恐怖を語る女性、その悲しみに満ちた瞳は、あの夜のイリーナの緑の瞳と重なる。

この侵攻によって、ロシアもウクライナも貧しくなるだろう。そうすなれば、また風俗の世界で働く女性が増えるかもしれない。普通の生活をしていても女性の瞳に悲しみが宿ることはあるだろう、しかし暴力によるのは許されない。そのような社会をつくるプーチン大統領を憎むのである。

金髪美女との一夜

余談であるが、イレーナは一晩だけ付き合ってくれた。少しざらつくような白い肌、豊かな乳房、グラビアに出てくるモデルのようだった。彼女はあそこに顔を近づける私を優しく目で制する。アジアの女性に見られない表情は素直に従わせる力があった。素晴らしい夜だったが、私の物が日本人としても小ぶりであるというコンプレックスのせいで没頭できなかった。

ロシア女性のジョークに「指輪が痛いわ」「これ腕時計だよ」とか「早くお願い」「もう入れているのだけど」がある。あの夜、彼女は入ったことに気づいていたのだろうか。再び会えれば、教えてくれるだろうか。ウクライナの平和を望むばかりである。

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