台湾 ピンポンマンションは恋人の部屋のようだった 

台湾

これは怖い。今回ばかりは失敗したかもしれない。運転手は一言もしゃべらない。いったいどこへ連れていかれるのか、身ぐるみはがされて海に浮かぶのだろうか。

台湾にピンポンマンションという風俗があるのを聞いたのは最近だ。本場は香港らしいが、どんな世界なのだろうか。どこにでも先達はいるもので調べるとネット上に詳しく紹介されていた。そこに書かれたことを実践して車に乗せられているが、なぜ来てしまったのだろうかと今はひどく後悔している。

スポンサーリンク

夜に車に乗せられるのは怖い


外国のこの雰囲気、慣れ親しんだ日本に比べて格段に怖い。浅草から吉原へお迎えの車で行くのとは大違いである。背中にじっとり汗が滲む。車は地下の駐車場に入っていく、これはもうあかんかも。

運転手は暗い駐車場に停車するとドアを開け上へ行けという仕草をする。ポケットから100元札を取り出した。強く握りしめていた札は、汗で湿ってしわくちゃになっている。彼はその札をじっと見ている。足りなかったか、これでは助からないか。運転手は言った「アリガト」喋れるんかい。

1階へ行くと管理人が待っていた。意外と愛想がいい。安堵からかまた汗が噴き出す。彼と一緒にエレベーターに乗る。ネットに書かれていたようにマンションというよりカラオケボックスだ。彼が部屋のピンポンを押すと女性が出てきた。「チェンジOKよ」「我喜歡你」やって来る途中の恐怖で疲れて次の部屋へ行く気力は残っていなかった。とりあえず休みたい。

野柳の海鮮料理は美味しい

空港の建物を出ると南国のムッとする空気と喧騒が押し寄せてくる。この感じが旅の心をくすぐる。ここは再びの東洋のフォルモサ、台湾だ。今回は女性も交えた健全なツアーである。

ホテルは予算を考えてKDMホテル(凱統大飯店)にした。このホテルは地下鉄忠孝新生駅に隣接していてとても便利である。日本人の利用も多い。日本語ネイティヴの高齢のオーナーが客を迎えてくれる。オーナーは戦前に東京の三井銀行で働いていたそうだ。人懐っこいので若い女の子にも人気がある。(2024年の今もご健在なのを祈ります)

今日は野柳の奇岩を見学してその後に海鮮料理を楽しむ予定だ。野柳は野柳地質公園といい、東シナ海に突き出した半島の海岸に茸のような岩が立ち並んでいる場所である。奇岩の先に南シナ海が広がる開けた風景はたいへんに気持ちが良い。岩は女王の頭やマリンバードと名付けられ、観光客は岩をバックに写真を撮る。みんな楽しそうでなんとも平和な風景である。観光地はこうでなくっちゃいけない。

公園は昼食前の腹ごなしに歩くのに丁度良い広さである。観光が終わると公園の近くに観光客向けのレストランが待っている。日本のフードコートを大きくしたような公設市場の食堂もある。空を飛ぶものは飛行機以外、海に居るものは潜水艦以外は食べるという人たちの面目躍如というべき雰囲気で、たくさんの人が旺盛な食欲を開放している。

Xserverビジネス

ここは、水槽に入れられた魚や貝を自分で選んで料理をしてもらうシステムになっている。魚は日本のものと似ているが、カニは見たことがない種類がいる。笑っているようなのもいる。選んだ魚やカニは煮物や揚げ物になって出てくる。台湾ビールを飲むと「やるじゃないか台湾」と言いたくなるほど美味い。

日本人の胃袋は、食堂で大いに食欲を見せる台湾人に比べると小さいようで注文する料理の種類が少ない。食材を決めるのも時間がかかりレジで小銭を探すお年寄りのようになってしまう。台湾の小娘は「早くしてよ」と容赦無くプレッシャーをかけてくる。その姿は清々しいほどである。そんなやり取りをカニが笑っている。

野柳の次は十份と九份へ行ってランタンを飛ばした。それは楽しい経験だったけれど報告は次回に譲りたい。夜食は中山駅の青葉というレストランでカニおこわを堪能した。

そのあと台湾マッサージに行ったが、お目当ての店は日本の専門学校の修学旅行の団体の予約が入っているということで長い待ち時間があった。どうしようと相談していると大型バスが着いて大勢の女学生が降りてくる。みんな若くて賑やかだ。若い娘はいい、目福だとオヤジは目で会話するのだった。

諦めてホテルへ戻ったが、若い娘をたくさん見たせいかなんとなくモヤモヤする。悶々としているとピンポンマンションのことを思いだした。だが、やることが上手く行かないときに風俗へ行くのは危険である。長い経験からあまり良いことがないを知っている。ベトナムでも、KTVのホステスに振られたあとホンダガールで痛い目にあった。だが男の欲望は一度スィッチが入ってしまうともう切れないのである。

独り遊びは、ピンポンマンションへ

最初の部屋から出てきた女性は、仮に麗華(リーファ)さんとしておこう、細身に大きな胸をした台湾美人だった。さっきまであんなに怯えていたのが嘘のように、こんな嬢がいるなら次の部屋も見たらよかった。マッサージ店ではついて無かったが、こっちはついているかもしれない。

部屋は広いワンルームでネットにあったように生活感がある。麗華さんに聞くとやはり住んでいるそうだ。私は若い頃から女性の部屋に入った経験が無い。独身の女性の部屋にいると思うと俄然楽しくなってきた。麗華さんは過去にKTVで働いていた経験があるそうで日本語が話せた。KTVからピンポンマンションへ移るまでには色んなことがあっただろう。だが聞かないのが花というものだ。

「とっても怖かった」と来る途中の話をすると「あはは」と笑う「昔みたいな怖いところはあまりない、この仕事もSDGsが必要ね」話して面白い女性がやっぱり良い。麗華さんに促されてシャワーに行く。日本の女性は客の体をチェックのために必ずお風呂を一緒にしてくれるが海外は別で入るのが普通である。

ちょっと寂しいが仕方がない。冷汗をかいた体にシャワーが気持ちいい。ホテルとは異なるバスルームの雰囲気は女性の家で不倫をしている気分にしてくれる。これはいいかも。

KTV、ピンポンマンションは好みが分かれるところ

「待っててね」麗華さんは自分もシャワーに向かい終わると、バスタオルで濡れた身体を拭きながら、ベッドにあがってそばに寄り添ってくる。大きな胸に手を伸ばして・・・来るときの恐怖はきれいに忘れていた。楽しいときは直ぐに終わった。「どうしてここに住んでるの」彼女の背中を撫ぜながら聞くと単には便利だからだそうだ。医食同源でなくて居職同室だ。中国系の人たちの合理性に関心する。

時間制限は無いが、終わったらすぐ帰るのがエチケットらしい。他の部屋に居るのはどんな女性たちだったのだろうと気になる。今日のところは一期一会で楽しませてくれた彼女に感謝して帰ろう。再び無口な運転手に送ってもらい林森北路で降りた

街はまだ賑やかである。運転手のチップ100元、彼女への支払い1000元で、合計1100元くらいが財布から無くなっていた。KTVに比べると安い。女性のレベルは少し落ちるかもしれないがサクッとしたい人には良いだろう。

ピンポンマンションの本場は香港である。今度はそこへも行ってみないといけないと誓う。初めのビビリも何のそのすっかり楽しんだ夜だった。もう少し台湾に乾杯して帰ろうかな。

コメント

タイトルとURLをコピーしました