これはどうしたことだろう。白い砂浜にブラジリアン水着の美女たちが遊んでいる、そんなビーチにいるはずだったのに、白砂も水着もない岩場のバンガローに立っている。岩場には人工のプールがあり沖に小さな筏が浮かんでいる。あるのはそれだけだ。水の透明度は低くて所々にビニール袋が浮いていた。これでは大阪湾である。なぜこんなところに来たのだろう。

旅の教訓 行先の下調べはしっかりとしよう
ブラジリアンビキニはその名の通りブラジル発祥の露出度の高い水着である。もちろんTバックでお尻の殆どが出ている。トップ、ボトム共に一般的な水着に比べると体をカバーする面積がとても小さく、女性の見せたいを究極まで追求した水着なのだ。
明るい陽光を浴びて、水着の美女たちを眺めながらバーベキューをしてサン・ミゲールを楽しむはずだった。バンガローはなんとなく薄暗くスキューバーダイビングの酸素ボンベが無造作に置かれている。ここはダイビングの練習をする施設だ。ダイビングに興味がないのに何が悲しくて練習施設へ来なくてはいけないのか、とみんなの顔に書いてある。

練習をしないのですることがない、沖の筏まで一度だけ泳いで昼食である。バーベキューは予約できたが出てきた魚やイカはお世辞にも新鮮に見えない。「良く焼かないといけないね」と言いながらも、みんなの箸は進まない。「もったいないから食べましょう」と完食した3人はお腹を壊した。
行く先はよく調べないといけない典型である。そもそも自分でも確認しなかったのがいけない。夜遊びに来たおっさんがダイビングスクールにきてどうする。そういうビーチを求めるなら、最初からセブ島やボラカイ島へ行くべきだ。夜の街と昼のビーチ、二兎を追った結果である。しかし、リゾートビーチとダイビングの練習場をどうしたら間違えられるのだろう。
美女たちが集うビーチは夢のように消えたけど、これはこれで良い思い出だと悔しいが思うことにした。ただ海はいまいちだったが来る道は楽しかった。タクシーから田舎の風景を眺めていると旅を実感する。道すがらの家やジャングル、大きな果物店に並ぶくさんのバナナやパイナップル、その景色は悪くなかった。
当日でもOK!現地空港Wifiカウンターで受け取れる!【SakuraMobile海外Wifi】

ホテルへ一旦帰りシャワーを浴びてグリーンベルトのフィリピン料理店へ向かう、夜のその後はそのとき考えようとなった。フィリピン料理はスペインとアメリカの影響からか他のアジア諸国の料理と少し感じが違う。日本人の好みに合うようだ。多くのフィリピン女性が日本に来るのは、料理の親和性によるものかもしれない。
グリーンベルトはとにかく大きいショピングセンターだ。高級ブランド店や洒落たレストランが並んでいる。海へ行く途中で見た村々とのギャップが大きい。目指すのはSentro 1771というレストランである。有名というので身構えたが、店はビストロ風の気楽な感じで家族連れや女性のグループで賑わっていた。

旅の教訓 Sentro1771は美味しい
まずはサン・ミゲールで乾杯をしてから料理を選ぶ。店員にお勧めのを聞くが、片言の英語と早口の英語だから会話がうまく噛み合わない。英語がもっと話せれば、とこういう時は思うが食べ終るころにはすっかり忘れてしまう。誰かが覚えていたシニガンとナス入り卵焼きを注文する。ナスの卵焼きはナスが美味しい。シニガンは酸っぱいスープだが、肉と野菜が上手く混ざって酸っぱさがあまり気にならない。有名なスープだけはある。
その他、エビの唐揚げ、春巻きを油で揚げたものも美味しい。豚肉の角切り煮込みアドボは、ツバメグリルの「牛肉とポテトの北欧風」に外見が似ているが味は随分違う。豚肉が甘酸っぱく味付けされていて食べやすい。
その他海鮮の食材を使った料理も多くあるが、昼のバーベキューでお腹を壊して懲りたのか、誰も頼まない。私はお腹が大丈夫だったのでイカの姿焼きを頼んだ。イカの味が濃厚でツマミにぴったりだ。締めは焼き飯と春雨の炒めたもの。家族で賑わうこの店は純粋に料理を楽しみに来るのが良いようだ。

ブルゴス通りはゴーゴーバーがいっぱい
お腹が膨れると別の欲望が目覚める、衣食住足りて性欲が増すである。そうなると向かうのはブルゴス通りになる。通りはいつものながらに多彩な人種が入混じりごった返していた。店の前に座る女性たちのスカートから伸びる足が眩しい、長くはないが白人とは異なった色気を醸し出している。
フィリピン女性の特徴である固太りの身体を黒いミニドレスに包んだ女性たちが視線を送ってくる。篠崎愛や遮光土偶がいっぱいだ。女性経験の少ない男ならひとたまりもない光景である。「どうしましょ」「どうしましょ」と目移りして店がなかなか決まらない。選択肢が多いのが良いとは限らないのである。どうする、オヤジ。
百花繚乱の花園を歩きながら、KTVにするかゴーゴーバーにするか悩んだ末に、今夜はゴーゴーバーに決まった。店に入りママにパートナーをお願いする。女性が来るが音楽がとにかく大きくて声が聞こえない。会話ができないので店から出て飲み直そうと女性を誘った。他の嬢はどうするのと尋ねたら、女の子の会議が始まった。「あんた行く」「私は良いわよ」「行きたーい」みたいなノリで脱落者は出なかった。
レディースドリンクが900ペソ、店に払うバーファインが4000ペソで、女の子のチップは3000ペソでいいらしい。「どこへ行きましょう」今度は男同志で相談である「前回行ったサーモンの店どう」大きな音の中なのにヒソヒソと相談する声は聞こえるのは不思議だ。

ゴーゴーバーの女性もサーモンが好きだった
女の子に「サーモン好き」と聞くと「大好き、アハハ」と笑う。こういうところにおばちゃんが出るから面白い。サーモンのお蔭か女性たちのテンションが上がった。以前お世話になった和風居酒屋「大虎」さんへ行くことになった。
女性たちは既にTシャツに短パン姿である、店と違って色気に欠けるが仕方がない。おじさんたちは完全に日本のアフターモードである。ビールに焼酎、ウィスキー、何でもあるのでどんどん飲む。彼女たちは料理をどんどん食べる。遠慮がないが陽気なのでそれが気にならない。
今夜は私にもパートナーがいる。くっつくように座った彼女の汗と安物の香水の匂いが興奮を高める。時折柔らかい膨らみが触れる。興奮してきたがこんなに酔って大丈夫だろうか。前回は店のサーモンを食べ尽くしたが、今夜も在庫はずいぶん減ったようだ。

旅の教訓 たまにはお酒を抜いて風俗を
ダイビングのレッスン場から始まった長い一日はまだ終わらない、彼女が使うシャワーの音が響いてくる。酔った身体にむち打たないといけない。素面ですればよいと思うのだがそれができない。風俗へ素面で行くのは恥ずかしい、だから必ず飲む。酒を飲むとあちらが弱くなる。あちらを立てればこちらが立たずとはこのことか。
夕食には必ず酒を飲む、そういう習慣になっている。酒を飲まずに焼き肉をご飯といっしょに食べるとタレがご飯に染みてとても美味しい。お刺身も同じだ。女性にもお酒を飲まずに接したらもっと気持ち良いはずだ。でもできない、わかっちゃいるけどやめられないのが酒なのである。

彼女がベッドにやってくる。「どちらが気持ち良い」と尋ねると「そんなのわかるわけない」との返事、そりゃそうだろう。彼女がバスタオルを取る。酒抜きをいつか試してみたいが明日になればきっと忘れていることだろう。
コメント