日本 沖縄 辻に沖縄時間は流れていなかった

日本

「今日はありがとね」愛さん(仮名)は軽くハグをして送り出してくれた。時計を見るときっかり80分が経っていた。辻には今回の旅で何度も出合った沖縄時間は流れていなかった。さすがベテラン、パンクチュアルだった。

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沖縄は東南アジアに似た香りがする

彼女は少々お年を召していたが、豊満な胸が素晴らしくもっと長時間の指名をすれば良かったと後悔した。「気が向いたらまた来てね~」沖縄の心地良いイントネーションに送られて店を出ると、吹きつける南国の風は東南アジアの国々と同じ香りがした。

宮古島の海はきれいだった

沖縄と本州の文化の違いに軽々しく触れるべきではないが、言葉を聞くとやっぱり日本に違いない。沖縄に流れる時間は東南アジアの国々と共通した緩さを感じる。亜熱帯の気候と海がそうさせるのか。沖縄に来ると張り詰めた気持ちが緩む。

「この海はきれいだな、こんな海は初めてみた」某大手会社の代表取締役にして海外担当専務が呟く。「ほんとに綺麗ですね」答えるのは子会社の社長である。二人はよく海外に行っている。その人たちが言うのだから本当なのだろう。

私は残念ながらハワイの海もイビサ島の海も知らない、カリブ海もグレートバリアリーフも見たことがないので黙っていた。ここは宮古島、東急リゾートの前に広がる砂浜である。海は青く澄み切っている。おっさんが3人で眺めるにはもったいない綺麗さだった。遠くに白い橋が見えている。

男の虚栄心は単純である

宮古島へはANAの子会社の飛行機でやってきた。専務がもっぱらANAを利用しているからである。彼は優先搭乗で一番最初になること、搭乗券をタッチをしたときの効果音が大きいのを自慢にしている。ステータスによって音が異なるのを教えてくれた。

「君たちとは音と大きさが違うだろう、えっへん」確かにドーンと大きい、がそれだからどうなのである。私もJALなら少し大きい音がする、音の違いを知ってからはちょっと自慢だ。男の虚栄心は単純である。風俗の女性たち特に売れっ子ほどそれをよく知っている。

「まぁ、大きい」「めったに見ない大きさだわ」「お口にはいらない」と言われると舞い上がってしまう。私の場合はさすがに言いにくいのか「真っ直ぐですね」である。確かに心は歪んでいるがアレはほぼ真っ直ぐで、上から見ればエラの張らない矢印、ウナギの頭である。これは褒め言葉なのか極めて微妙である。

ちなみに、男の一物は大きい方が良いは世界の常識だが、女性のアソコは小さい方が良いらしい。ロシアとフランスとブラジルの女性がプールで自慢しあっている。ロシア女性「私のアソコは小さくてカブが入りませんの」フランス女性「私はキャロットが入りませんわ」ブラジル女性「うちは主人のが入らなくて困ってますの」「えーっ、ご主人はどこの国のかた」「日本人なんですの」・・・

タクシーの運転手は島唄を歌った

話がそれたが宮古島は沖縄でも有数の観光地である。その割に空港はこじんまりとして、平日のせいだろうか人が少ない。数台のタクシーがのんびりと停まっている。強い日差しは東南アジアを感じさせるが、周囲に漂うこざっぱりした雰囲気はやはり日本である。

中年のタクシー運転手が迎えてくれた。運転席と助手席の間に蛇柄が特徴の「三線」が置いてある。「運転手さん、それサンシンですよね」「そうだよ」「なぜ置いてるんですか」「ソレはサー、客を待ってる間に練習するんだ、半分くらいやってるよ」そのような仕事ぶりで生活が成り立つのだろうか。 

宮古島のタクシーは驚くほどゆっくりと走る。「いいですね、この感じ」とすっかり旅行気分だが仕事で来ている。会社の研究所の出先を見学してそこの社員と会食の予定だ。「島唄は聞けますかね」「聞けるんじゃないか。店はまだ決まってないそうだよ」仕事のことはほぼ忘れている。

話を聞いていた運転手が話しかけてくる。「お客さん、島唄は好きかい」「いいですね、運転手さんお上手なの」「まぁまぁかな、一曲聞かそうか」不思議な展開になってきた。「仕事はいいんですか」「ナンクルナイサー」とは答えなかったが車は路肩の駐車スペースに停まった。

パーキングブレーキを引いた手でサンシンをとり寄せ調律が始まる。あらためて構えると演奏が始まった。ゆっくりとした曲が流れ、やがて歌が始まる。歌いこんだ渋い声が響く。タクシーの運転手が車を止めて一曲聞かせてくれる、嘘のような本当の話である。

島唄が冷房の効いた車内にのんびりと響く。これは良いなぁ。道の向こうにサトウキビ畑が広がり風に揺れている。ザワワ、ザワワ、時間が停まってしまったような昼下がりだ。おっさん3人は島唄にうっとりと聴き惚れている。ちょっと気持ち悪いぞ。ここは宮古島なんだ、旅の醍醐味はいつも地元の人との触れ合いにある。

ところで、みんな聞き入っているけれど、サンシンの演奏も唄も素晴らしいけれど、タクシー代は誰が払うの。運転手は2曲めに入ろうとしている。ここ東南アジアだったっけ。

旅の教訓 宮古島に泊まるなら東急リゾート

研究所を訪ねてからホテルへ向かう。所長の運転する車はやっぱり遅い、島では誰も急ぐ必要が無いないのだ。今夜の宿は東急リゾートホテルである。会員(無料)になるとけっこう安く泊まれる。窓からの景色、朝食のブッフェが素晴らしく男3人にはもったいない。

途中、来間島に立ち寄ることになり来間大橋を渡る。変わった形の岩が並ぶ宮古島側から、対岸の浜辺まで全長1700メートルの真っすぐな橋が伸びている。橋から見える海は太陽の光によって透明からグリーン、ブルーと微妙に色が変わる。ほんとに綺麗だわ、ここは。

研究所の社員との会食は、とは言っても所長と女性社員が二人だけだが、街なかの居酒屋になった。6人だから予約もしない。開始は6時からである。先に着いた男4人は早速飲み始める。新鮮な海ぶどうは塩辛くプチプチ感がたまらない。島らっきょは苦手だからやめておこう。せっかくだからグルクンの刺身を注文しよう。

オリオンビールが喉を滑り落ちていく。ビールから泡盛へ酒は変わり宴会は盛り上げる、ふと気づくと女性社員がまだ来ない。時間はとうに7時を過ぎている。「彼女たち、来るんですよね」「来ますよ」所長は平然としている。

宮古島に沖縄時間を見た

そのうち一人がやってきた。「今日はありがとうございます」と飲み始める。なんの違和感もない。待っていたのは親会社の専務と子会社の社長なんだけど。1時間以上遅れてきた彼女は島らっきょをつまみながらジョッキを傾けアハハと笑っている。

遅れたお詫びなどどこ吹く風である。所長は、サラリーマンドラマだったら「どうして遅れたの、お詫びしなさい」と慌てる状況なのだが、泰然自若でチャンプルーをつまんでいる。

もう一人がやってきたのは8時になってからだった。おっさんたちはすっかり酔っ払って「どなん」を飲もうとか言っている。女性は「いただきます」と元気いっぱいである。所長はまぁこんなもんですよと笑う。噂に聞いていた沖縄時間は実在した。次の日はもちろん寝不足と二日酔いである。

沖縄はキャバクラも、女の子が本格的に出勤してくるのは9時を過ぎてからである。商売柄だと思っていたが、そうでなくて遅れて来るだけだった。沖縄は東京や大阪に無い緩い時間が流れている。

宮古島は、綺麗な海、美味しい料理、女性の笑い声と三拍子揃っていたが、何か物足りない。二人は明日、那覇を経由して東京へ帰るという。物足りなさの正体に気づいていたので那覇にもう一泊した。目指すのは辻町である。ホテルで二日酔いを癒してから国際通りへ出てブラブラ歩きだす。

お腹が空いてきたのでステーキ88辻本店に入りステーキを食べることにした。沖縄はステーキが旨い、とくに肉のまわりにベーコンを巻いたのが美味い。ソープ街のなかにステーキ屋とはなかなか上手くできている。孤独のグルメの井之頭五郎は、川崎で焼肉を食べながら「ソープの傍に焼肉とストレートだなぁ」と呟いた。

辻の女性は優しかった

辻街は案外暗く感じるがお店は多く30軒以上あるらしい。ここが那覇の風俗の中心である。どの店が良いか全くわからないので、お店の人に「地元の女性はいるの」と尋ねて入ったのがキュア(おそらく)という店だった。

彼女は「いらっしゃい」とベテランらしく迎えてくれる。「どこから来たの」と言葉が沖縄である。30歳は超えているようだがよく陽に焼けた身体に巨乳が眩しい。「おばちゃんでごめんね」 「いやいや、日焼けした肌に残る白い水着跡フェチなんです」「うまいこと言うね」と身体が寄せられる。

豊かな胸が押し付けられると柄にもなく即反応してしまう。彼女は優しく服を脱がしてくれて一言「あらぁ、真っ直ぐだね、こんなの見たこと無いさー」(さーは私の脳内変換です)ここでも褒め言葉はやはり真っ直ぐだったさー。ベテランの女性にお相手してもらうとなんとなく介護してもらう気分になる最近である。

そんな感じでアレをして、出身のことなや真っ直ぐについて話していると80分はあっという間に過ぎ去った。彼女は帰り支度をしながら「大きかったら良いってもんじゃ無いさー」「なんでも特徴のあるのが良いよ」と励ましてくれる。

延長も頭をよぎったが、いったん終わったと思った後の追加は結構きつい、と何度か聞いたのでやめておいた。もう少しと思うくらいが丁度いい。腹八分目が良いのだ。今日はここまでにしよう。チージ(辻)の女性は南国らしい優しさに満ちていた。日本の中にアジアを感じられる、いいじゃないですかチージ。

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