海外へ行き空港からでるとその国特有の臭いが押し寄せてくる。インドなら香辛料、タイなら屋台の食べ物、ベトナムはパクチー、これに排ガスと甘いような腐敗臭が混じる。韓国はニンニクの臭いが強烈、台湾は茴香や臭豆腐か。日本は醤油の臭いがきついと言われるが、アジアの中では驚くほど人や街に臭いがない。そのせいか日本人は匂いに敏感すぎる。

若い娘だけが放つ体臭がある
黄昏時、薄暗くなった道を歩いていると、どこからともなく漂ってくる金木犀の香り、秋がやってきたと感じる一瞬である。そうとうに鈍感な男でも金木犀の香りに気づく。それには理由がある。
通り過ぎたらその後に花の香りが残るよな、そんな娘になりたい、と小柳ルミ子は若い頃に歌った。可憐な娘心をたくみに表現した曲である。若い娘にとって自分の匂いはたいへんに気にかかる。男も若い娘の香りがとても気にかかる。朝の電車で隣に立った女性からいい匂いがすれば、その日は素晴らしい一日になる。特別フェチでなくても女性の匂いは良いものだ。
実際、若い娘はパフュームとは別に特有の香りを放っている。この香りはラクトンC10とラクトンC11という成分に由来する。ラクトンは牛乳に含まれる成分で、子供の乳臭い言われる香りだ。女性が成熟するとラクトンC10は桃の香り、ラクトンC11は金木犀の香りになる。
その威力は凄い。男がラクトンを含む香水を嗅ぎながら女性の写真を見ると、その女性らしさや魅力が増して見える。若い娘のラクトン臭は男を惹きつけるフェロモンなのである。爽やかさのなかに少し退廃的な甘さが混じる金木犀の香りがすれば。男は若い女性が近くにいると反応するのである。この香りが古くから愛されているのはラクトンの効果かもしれない。
ラクトン臭は10代から20代の女性特有の体臭成分で30歳になると消えてしまう。女性がおばさん臭くなったと自虐するのは正しい。代わりにアンモニア臭や脂肪酸臭が増えて加齢臭が出てくる。おばさん化は容赦がない。

エロスの匂いがする話
江戸時代に書かれた大田南畝の随筆「半日閑話」に「天女が降りて男に戯るる事」という話がある。ある日番味孫左衛門という侍が縁側で昼寝をしていたら、天女が舞い降りてきて彼の口を吸った。サンタがママにでなく天女が彼にキスをした。それ以来、彼が口を開くとなんともいい匂いが漂うようになった。天女のキスは羨ましいがおっさんの話だから色気はあまり感じない。
フランスの話はもう少しエロスの香りが漂う。1816年、フランスの田舎に住むマリー・アンジュという17歳の少女が起こす奇跡が評判になった。彼女はキリストがキスをしにやって来ると言う。キスを受けると口からシロップをどくどくと吐き出すのである。キスが激しくなると口からえんどう豆くらいの大きさのボンボンがバラバラと溢れだす。周りの人たちがシロップを舐めると甘く美味だった。
それはそうだろう、17歳の少女の口から溢れ出すシロップやボンボンが不味いはずがない。女性に頼んで唾を垂らしてもらう男もいるくらいだ。AVのベロチュウは舌を絡め合い唾液の交換をする。女が口で受けた白い液体をドクドクだすシーンは興奮をさそう。昔から女性の口は性器を連想させた。クレオパトラがそれを連想させるために唇に紅を塗った。口紅の始まりである。

女は発情すると体臭が変わる
女性が出すのはラクトン臭だけではない。興奮したときに独特の臭いを出す。ベッドで抱き合ったとき女性の鼻から出てくる独特の臭いを感じたことが何度もある。彼女たちはプロでなかったので興奮していたのは間違いない。残念ながら私のデータ数は非常に少ないので、絶対とは言えないが確かに変るのである。
この臭いを経験したことがない男性でも、セックスの最中に女性の体臭がきつくなるのはご存知だろう。獣臭さというかワキガ臭が強くなる。そういうときの女性は積極的でイクことが多い。体臭がきついと嫌がらずに機会だと頑張ろう。白人はこの臭いが好きらしい。
女性の匂いに敏感なのはゴルゴ13である。デューク東郷が娼婦を装ったソビエトの女性諜報員に命を狙われたことがある。彼は部屋に入ったとき娼婦に言う。「お前のつけている香水は生のままだ。本当の娼婦なら体臭と馴染んだ香りがするものだ」香水と馴染んだ白人女性の体臭、さぞかし濃厚なものだろう。
日本人女性も欧米人ほどでないが成熟してくると、体臭は香水や化粧品の臭いが混じった独自の臭いになる。若い娘のスィート臭も良いが熟女の香りも良い。ウィスキーもワインも種類によって飲み頃があるようにどちらも味わい深いものだ。

男は女性の香りが好き
人の臭いの嗜好は驚くほど多様である。野原ひろしの靴下はラベンダーの香りらしいが、靴や靴下の臭いが好きな人がいるそうだ。スカトロマニアやブーツフェチは普通人なら耐えられない臭いで性的興奮を覚える。靴下の臭いがラベンダーの香りになる。美女の靴下を嗅いでみたい気持ちは分からないでもないが踏み込む勇気はない。やはり女性の香りは黄昏時に漂う金木犀のようであって欲しい。


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