いつもの怪しい探検隊はソウルにいた。椎名誠(最近あまり名前を聞かない)の怪しい探検隊は自然を愛する健全なものだけれど、こちらは街の怪しい店を探検するチームである。私にとって久々の韓国訪問だ。この前に来たのは1987年、ソウルオリンピックの前年だった。30年も開いたのはある出来事がトラウマになったからだ。

久しぶりの韓国、酒と食事がトラウマだった
当時の韓国は、現在のような反日は無くひたすら経済成長を目指していた。提携先の会社の専務と歩いた漢江のほとり、グエルムはまだ生息せず市民の憩いの場所だった。博物館に展示された青磁の数々、水田を耕す牛の姿などは今でも忘れがたい。
韓国社会はまだ戦争中だった。金浦空港に飛行機が着陸するときは強制的に窓を閉めさせられた。国道の各所に車両の通行を遮断する装置があった。時折、街に防空演習のサイレンが響く。戦時の影響を嫌でも感じさせられた。それから30年、世情は随分変わったらしい。入国審査はドキドキだった。
トラウマは眞露とキムチである。初日の宴会で眞露を飲みすぎて気絶した。「返杯を断るのは失礼である」という生半可な知識があり、酒に強いと自負していたので勧められるまま杯を受けた。自分は酒が強いなどど言うのは、井の中の蛙の最たるもので、韓国人の強さに到底及ぶものでなかった。
宴会の場所は青瓦台の近くの高級料亭である。宴会の途中に民族舞踊の出し物があった。舞台の傍に演目が紙で貼りだされる。そのうち裸の字の入ったタイトルが出てきた。これはいやらしい踊りか、韓国でもお座敷ストリップがあるのか。その瞬間に意識が途絶えた。
当然、翌日は超二日酔いで地獄の気分である。それなのにどこへ行っても松露茶やキムチがでてくる。そのときの仕事は韓国の会社のチームと合同で行うプレゼンだった。相手メンバーの手前、韓国料理は嫌いだと言いにくい。日韓友好、キムチは無料でなんとか食べてもこれでもかと出てくる。二日酔いとキムチのダブルパンチである。眞露が嫌いになった。キムチは更に嫌いなった。辛い思い出である。それから行かなくなった。

旅の教訓 骨付きカルビは食べるべきである
誰も私のトラウマなど気にしない。怪しい探検隊は目的地に向かって進んで行く。経済が発展すると風俗の規制が厳しくなる。ソウルも厳しくなっているようだ。さて何処を目指すか、腹ごしらえをしながら相談しよう、スタミナをつけるため焼肉を食べようとなった。
焼肉と言えば、前回来たときガーデン焼肉というべき屋外のレストランで昼食をとった。焼肉は美味かったのだが、それより刺激されたのは女性店員である。白いノースリーブのブラウスに黒いスカート、若々しい腕が眩しい。新鮮だったのは、ブラウスの下に黒いブラジャー、おまけに脇毛がそのままである。うーんこれは。その後、薄いトップスに濃色のブラの姿を良く見かけたから、当時の流行りだったのだろう。
ガイドさん、脇毛は無かったが、のお勧めは王妃屋という焼肉店だった。昔はOBビッチュウが普通だったが、今はカスビッチュウがメジャーらしい。キムチはとうぜん山程出てきたが遠慮する。骨付きカルビやサムギョプサルはなかなかに美味しい。肉を口にほうばりながらの相談だから聞き取りにくいこと夥しい。「ですからモグモグ」「えっグビグビ」「ネットの情報では」「あっ、肉焦げてる」話が進まない。
「私が案内します」見かねたガイドさんが宣言する。「えっ!」めでたく店に到着できた。日本のクラブとスナックの中間のような店だった。「歌うだけの店じゃないの」「ケンチャナヨー、女の子は間違いなく部屋までつきあうよ」ママが請け負う。韓国は売春は非合法である。裸の売春婦たちがデモをしたが阻止できなかった。
でもそんなの関係ないと盛り上がる。代金は飲み代と女性の分をいれて500,000ウォンとけっこう高かった。酒で膨ませた妄想と焼肉で燃料を補給した暴走列車は止まらない。女性は後からホテルへやって来る。

旅の教訓 韓国女性は濃厚である
やってきたのはイさん(仮名)、アガシはネイティブに近い日本語を話した。「暑いから早くシャワーを浴びたい」着くなりおっしゃる。これはさっさと終わらしたいタイプに遭遇したのか。地雷を踏んだか。心配は杞憂だった。サバサバどころかとても濃厚だったのである。
「誰とでもこうではない、お客さんが優しい人だからよ」また汗をかいた体を寄せてくる。営業用の言葉とわかっていても喜しい。「とても良かったよ。明日もお店へ行こうかな」これは挨拶のようなものだ。待ってるという返事かと思えば、胸に顔を埋めながら「お店に行かずに会いたい」だった。
「お店はいいの」「大丈夫、言っておくから」「じゃ5時にホテルのロビーでいいかな」「日本風の焼き鳥屋さんへ行きたい」「いいよ、いいよ」話は進む。明日の夜の予定は漢江クルーズだったはず、キャンセルしないといけない。明日の朝のミーティングで報告しよう。「かもさん、ずるいよ。自分だけ」批判されるのを覚悟した。
さて翌日の夕方である。ロビーで待ち合わせてタクシーで出発、延世大学や梨花女子大がある地区に向かう。けっこう遠い。彼女は立派な駅の近くでタクシーを止めるとドラッグストアに入っていく。この奥に焼き鳥屋があるのだろうか。「ここに欲しい日本のサプリメントがあるの、買っていい」突然おねだりが来た。もちろん断れない。男はそれが嬉しいようにできている。彼女はサプリメントをいれたカゴを持ちレジ行き、振り返って微笑む。「ハイ」財布を出して駆けつけた。

梨花女子大界隈でデート
焼鳥屋は秋吉に似ていて日本の地酒も置いてある。焼鳥も本格的で美味しい。大学の近くなので、若いカップルが多く楽しそうに食べている。韓国女性は肌が綺麗だ、若い娘はよいなと見とれていたら肘でつつかれた。お腹をいっぱいにしてタクシーで明洞へ戻る、そろそろホテルかな。
「マッサージに行きたい、友達がお店を始めたの、良いかしら?」おじさんのバッテリーは古いのですぐ減ってしまうんだよ。肝心の時に電池切れになったらどうするの。不安な気持ちを残したまま、二人並んで受けたマッサージは気持ち良かった。マッサージを受ける彼女を横目で見ていると不覚にも元気になってしまう。早く帰って、いつものようにキメてぶっ飛ばそうぜ・・・バッテリーはビンビンだぜ。忌野清志郎である。
エックスサーバーだが、また別の所へ行くかもしれない。「ホテル帰りましょ」彼女は怯える私の心を見透かしたように笑う。主導権は完全に彼女にあった。ベッドの上では昨夜にまして積極的だった。「ベッドから降りて、ここに立って」自分はベッドの上からお尻をむけてくる。まるでAVじゃないか、彼女の指導で年甲斐もなく頑張ってしまい、終わるとすぐに眠りに落ちた。

旅の教訓 彼女に鍵を託して出ていくのは良くないけれど
遠くから電話の音が聞こえる、寝ぼけながら取ると「もう出発だよ、みんな待ってる」そうだった、今日は水源城と美味いビビンバのツアーだった。横を見ると彼女が寝ている。帰らなかったのか。どうやら頑張りすぎて寝てしまったようだ。寝顔が可愛いぞ。
「部屋の鍵はフロントに預けておいて」かわいそうだけど起こして部屋を出る。「わかった」寝ぼけた声で返事をしてまた眠ってしまった。シーツから出た太腿が白く光っている。横たわる姿がなやましい。これを残して行くのはもったいない。でも仕方ない。ありがとうも言わずに別れてしまった。

彼女にとって昨夜はどんな時間だったのだろうか。楽しんでくれたのだろうか。お互いの気持ちが近づくとき、ベッドの上に流れる時間は濃厚になり快感が増す。昨夜の彼女は本気度が凄かった。こんなことが偶にある。これが風俗の醍醐味だ。ひょっとしたら、朝にもう一回許してくれたかもしれない。早起きは三文の得という言葉を思い出した。それにしても韓国女性の太腿は白かった。


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