台湾 台北 レトロで新しい迪化街をぶらり散歩

台湾

101の次は今日の本命である迪化街へ向かう。MRTの淡水信義線で民権西路駅へ行き中和新盧線に乗り換えて大橋頭駅へ着いた。駅の長い地下道を通って地上に出ると、日本人はもとより観光客の姿もない、台湾ほんらいの街だった。大きな街路樹と古い建物が異国情緒満を感じさせるが心細さを覚える風景でもあった。

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旅のお勧め 迪化街をぶらぶら歩こう

大きな通りの両側に由緒のありそうな二つの小学校が建っている。その一つの角を曲がって暫く歩くと迪化街らしき通りに出た。更に進むと迪化街と書いた赤い看板に着く。傍らに日本でも知られた餡子の店があり買い物をする観光客の姿が見える。ここでようやくホッとした。

迪化街は「ゆかがい」と読みそうになるが「てきかがい(ディーホワンジェ)」である。レンガ造りの歩道と昔の問屋が並びレトロな雰囲気が漂う街である。この街は19世紀の清朝末期、台湾の物産を積み出す港町として発展した。

清朝時代は樟脳が特産品だったが、日本統治時代になると、台湾全土から乾物、漢方薬、お茶、布が集まり、それを扱う商店も増えていった。当時は大稻埕と呼ばれたが今は迪化街と言われている。

レトロとモダンが合わさった街並み

街はバロック様式の建物が並び当時の豊かさを彷彿とさせる。建物の一階は屋根付きの歩道になっていて、レンガ造りの可愛いアーチが規則的に作られている。商店の入口に237とか132とかのプレートが打ってあり、その桁数から街にあった商店の多さがわかる。

通りには、昔ながらの乾物や海産物を売っている店があれば、現代風にリニューアルして珈琲店やスィーツ、陶器の店になっているところもある。どの店も見るだけで楽しい。

今日のお目当はリニューアルされた石鹸店である。地図を頼り北から南に探すのだが、なかなか見つからない。通りは長く車や人も多い、店の数もたくさんだ、いい加減疲れてきた頃に交差点の真ん中でビラを配っているおじさんに出会った。

出されたものは必ず受け取る主義なので、手に取ると豆花の店のビラだった。おじさんは、眺めている私に脈ありとみたか案内すると言い歩きだした。なんとなくついていくと横道に入ってどんどん進んでいく。通りからずいぶん離れたな、ちょっと危ないかも、そんな心配するのは夜ばかり歩いている習性からである。やがて豆花店、ACTION・BAR導演的豆花店が出てきた。

旅のお勧め 迪化街の豆花は導演的豆花で決まり

導演的豆花とあるが、上手な豆花の食べ方を演技指導してくれるのだろうか。物分かりの悪い人間にイライラしたときの捨て台詞に「豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ」がある。ここの豆花は固くなった頭を柔らかくしてくれるのか。その角は美女の囁きのような甘さで味付けされているのか。妄想を重ねたが、真相は映像ディレクターが本業の店長が経営する店だった。

店内は子供たちに映像を撮る楽しさを教える活動の写真がたくさん貼ってある。これが導演的だった。それらを眺めていると、映像デレクター兼店主がやってきた、なかなか良い男である。40歳くらいの髭をはやした渋い声の持ち主だった。彼からサイゼリアのような注文表を渡される。

隨分かりやすい注文票だと思ったら、そのはず日本語だった。メニューは豆花とかき氷の2種類、サイズと色んなトッピングが選べるようになっている。値段は80元(400円くらい)だった。注文票に記入しカウンターの可愛いお嬢さんに渡すと盛り付けしてくれる。ハーフを頼んだが十分に大きかった。味は素朴で優しい。

夢想基地の豆花は大きかった

店には、日本人観光客や台湾男性のお一人さまが次々にやってくる。お一人様の男性はラーメン椀に入ったフルサイズの豆花を黙々と食べている。一人だから当然そうなるが、そしてあっという間に食べ終わって出いていく。ほんとうに好きなんだ、でももうちょっと楽しんでも良いのではないか。

イケメン店長が親切そうだったので、探している石鹸店の場所を聞いてみる。住所を示すと少し考えこみ地図に印をつけてくれた。そこはさっき通り過ぎた場所じゃないか、見逃したのかもしれない。店長にお礼を言って店を出て、迪化街の通りに引き返すけれとやっぱり店は無い。さてどうしよう。

諦めかけたときに小さな看板が見つかった、同じ通りの100mくらい南に店は移っていた。

歴史のある石鹸店 春大皂煉

店の名前も知らずに来たのだが、店名は「春大皂煉」だった。他の店と間口は同じだがなかはモダンなコスメショップという感じになっている。高級そうで少し敷居が高いが、入ると「ちびまるこちゃんの友蔵じいさん」に似たマークが迎えてくれる。

きれいなお姉さんがやってきて、歴史と石鹸の説明を日本語でしてくれる。このお店けっこう長い歴史を持っていた。日本統治時代に、石鹸の権威、井上権七氏が創業した台湾石鹸合資会社(大春石鹸)が始まりで、戦後その技術を台湾の李水士氏が引き継ぎ株式會社水記號を起こし、ブランドを春の石鹸「春大皂煉」としたのである。置かれた戦前の石鹸製造の機械が歴史を示している。

お姉さんの優しい説明と使い心地を試せる流し台が一画に置かれた良い店だった。

石鹸は天然素材で作られてねっとりとした触感である。色んな石鹸で洗ってもらった経験のある私もこれは良いと感じる。パッケージもかわいい。難点はちょっと価格が高いことである。製品は280TWDから350TWDが中心であり、円安の影響もあって1400円から1750円になる。ラッシュよりも高い。

それでも女心をくすぐるのか、彼女は艾由心生複方精油皂 – 台灣原生系列320TWDを始めたくさんお買い上げしていた。家に帰り使ってみるときめ細かい泡が肌に気持ち良くお土産に最適である。

旅の教訓 迪化街は北門駅から行くのが良い

今日は朝からずいぶん歩き色んな場所に立ち寄った。太陽の光を浴びながら外国の街を歩く、こんな健全な旅は何年ぶりだろう。有名な観光地も良いが小さな町中の旅も思い出深い。ただひたすら歩いたのでさすがに疲れが出てきた。

迪化街を楽しむには、大橋頭駅から下がって来るより松山新店線の北門駅から行ったほうが楽そうだ。彼女は「お腹へった〜、今度は夜市へ行きたい」といたって元気である。女性はなぜこんなに元気なのか。そういえば近くに夜市があった。お寺の前で売っている点心を食べてもうひと頑張りである。

今日は目的があるような無いようなぶらり散歩だった。旅の楽しみは街の雑踏の中にある。「喉が乾いた〜、タピオカドリンク飲みたい」益々元気になっている。さぁ夜市へ行こう。

旅から帰って暫くしたら台湾で大きな地震があった。被害も出たようだ。日本からだが台湾を応援しよう。台湾加油である。

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