人生にはモテキが3回あるそうだ。モテキになると思わぬ相手から好意を持たれたり憧れていた女性から告白されたりするらしい。ただ1回目のモテキで結婚してしまうと、残った2回は使いにくいカードになる。上手く使わないと不倫や離婚など色々とややこしい状況になってしまう。

モテキがやってきた
モテキは風俗の世界でもやってくる。女性が男のどこを気に入るのかわからないが、無料で一回増しや時間延長のおもてなしを受ける。最初から無料を狙う猛者もいるが普通の人は止めたほうが良いだろう。タダは経済的に助かるけれど男女の越えてはいけない一線を越える気がする。お金が介在しないと心の関係になり不倫をした後ろめたさが残る。不倫はルビコン河のようなもので渡るには大きなリスクがある。
昨夜、私にもモテキがやってきたらしく女性に誘われている。どうしたものかと、澄んだ海に遊ぶたくさんの外国人を眺めながら考えている。浜辺に並べられた白いパラソルとビーチチェアを6万ドンで借りて寝転び、生暖かいビール飲みながら女性の水着姿を見るのは悪くないが、どうしよう。

ロシア人が集まる国際的リゾート ニャチャン
ニャチャンはロシア人が多い。ロシア女性は水着はおとなしくても中身が凄いのですぐわかる。髪は金髪か栗毛で巨乳ばかりではないがお尻は大きい。ロシアとアジア女性の体型は差は大きい。アジアの男がロシア女性と楽しいことをした。彼女は喘ぎながら「あなた指輪が痛いわ」と訴える。男は「ごめん、腕時計をしたままだった」と謝った。これがあるのでロシア女に挑戦するのを躊躇する。
ビーチは7kmに渡って砂浜とヤシの木が続き、海と並んで走る広い道路の側に大きなリゾートホテルが立ち並んでいる。日本ではあまり話題にならないニャチャンだが国際的に有名なリゾートなのである。ロシア人に人気あり暮らしている人も多いらしい、彼ら向けの店が沢山ある。ウクライナ侵攻が始まってからも多くのロシア人が来ているらしい。
ホーチミンからニャチャンのカムラン空港まで約1時間、昨日の昼前にここに着いた、夜まで時間があるので簡単な観光をしてきた。ダム市場、ボーガナル遺跡、ホンチュン岬は半日で回れる。今回のメンバーは観光に興味がないのでこれくらいが丁度良いのである。女性に人気の大きなテーマパークや泥温泉があるが私達の目的ではない。

チャンパ王国の港町は料理が美味い
ニャチャンは2世紀から19世紀に栄えたチャンパ王国の港街である。その繁栄ぶりがホーガナル遺跡に残っている。9世紀に建てられたヒンズー教寺院は強い日差しに晒され、赤いレンガの塔や彫刻は歴史を感じさせる。全体に夏草や強者どもが夢の後の雰囲気が漂っている。遺跡に掘られたヒンズー彫刻の女性の腰は細くクビれて丸い乳房が艶っぽい。
ホンチュン岬は落ちそうで落ちない岩が名所である。出そうででないは・・・と下品なフレーズを思い出す(古いです)インスタ映えする岩からは自然の強靭さが遺跡の儚さと対象的に伝わってくる。人の世は儚い。人の一生は川面に漂う「うたかた」と鴨長明は言った。だから今を楽しまなくてはいけない。
ニャチャンの夜はホンダガールとVIPマッサージが中心である。これを二晩で制覇できるか気合が入る。力の入れどころを間違っているような気もするが。そいのためにはまずは腹ごしらえである、腹が減っては戦はできないのだ。ニャチャンは海鮮が豊かで他の地方であまり見ない生ウニの料理がある。一個100円くらいと安い。お味は日本のウニと比べるのは難しい、それよりもエビが良い、タマリンド炒めは辛くてハノイビールとよく合う。
海鮮だけでなく肉もうまい。ポーヌンラックチョンという店の肉を10種のスパイスと蜂蜜に浸けて焼くサイコロステーキは絶品らしい。ネ゙ムニョンは味付けして焼いた豚肉を野菜や香草と一緒に生ライスペーパーで巻いて食べる料理だが美味しい。ネ゙ムニョンがこんなに美味しいのだから、ポーヌンラックチョンのサイコロステーキも食べてはいないけれどきっと美味いに違いない。今夜の締めはマグロの海鮮出汁のフォーにした。

ブンブンはバイクタクシーが連れてくる
レストランを出て街を歩いていると「レディ、ブンブン」さっそくバイクタクシーのおっちゃんが声をかけてくる。ブンブンはもちろん子供が好きなあの空を飛ぶ昆虫でなく、大人の男がたいへんに好む行為である。「ブンブン、グッド」「ホワット、アイ、シュッド、ドゥ」「ステイ、ゼア」などのような会話が始まる。100万ドン、いや高い、部屋代込み80万ドンにしろと交渉が続けているうちにモテキが来たらしい。
暫く待っているとお嬢さん達がバイクに乗ってやってきた。まるで警察に包囲される犯人のように5台のバイクに取り囲まれる。仲間はてきぱきと好みのお相手を選びバイクの後ろに乗って「打ち合わせは明日の朝ね」と言い残して去っていく。
残るは2台、バイクタクシーのオヤジは早く決めてチップを寄こせの視線である。これは困った、二択は苦手だ。仲間に遠慮するからいつもこの窮地に落ちる。お顔は優劣がない、仕方ない、胸の大きい方を選ぼう。

ホンダガールがやってくる
バイクの後ろに乗って専用ホのテルへ向かう。バイクに乗ると財布を擦られた夜を思いだす。あの時のように女性の身体は柔らかい。彼女はホテルで積極的だった。怒涛のひとときが終わると一生懸命に何か話しかけてくる。
どうやら明日の夜も会いたい、お金は要らないからと言っているらしい。何故そんなこと言うのだろうと訝しく思うが聞き返すのは面倒だ、その時にお金を払えば受け取ってくれるだろうと気楽に「OK」と答えたら「ブイムン」とうれしそうに抱き着いてくる。女性は二晩続けて会う価値は十分にあった。しかしいったい何が起こったのか、なぜこんな風になったのか。彼女は「今日会った場所へ来い」という。
ベッドの上の彼女は悪くなかったなぁ、と寝転びながら思い出す。あのときをもう一度過ごしてもいいな、シャワーを浴びて指定の場所に向かった。彼女はTシャツでなくヒラヒラしたブラウスを着て待っていた。うれしそうな笑顔を見せる、この女性の笑顔に殆どの男はやられてしまう。
彼女はバイクを走らせながら良く喋る。これは商売でなく本気でモテているのではないか。ホテルへ着いた後は楽しくも激しい時間だった。愛は最高の快感をもたらすのである。

旅の教訓 ただほど高いものはない
ところがその後がいけなかった。シャワーが終わり服を着ながらお金を渡そうとすると遠慮しているのか受け取らない。サービスを受けたのだから払いたい。お金を介在させないと恋愛になるのが嫌なのだ。彼女を嫌いではないがやはりお金を間に入れたい。男とは身勝手なものである。
そうこうしていると彼女が怒り出した。それももの凄く怒っている。両足を踏ん張り両手をぐっと握って早口のベトナム語で巻くしたててくる。意味は良くわからないが「あなたを見損なった、お金が欲しくて会ってくれと言ったんじゃない」のようだ。どうも彼女のプライドを傷つけたらしい。
これはあかんとお金を置いてホテルの入り口へ逃げ出した。ベトナム女はおっかない、追いかけてきてまだ怒鳴る。マネジャーまで出てきてニヤニヤ笑っている。怖い目に合うかもしれない、と止まっていたバイクタクシーにあわてて乗った。
運転手は「あんた何をした、彼女はとても怒っている、あんた変態か」ベトナムでも変態が通じるのだと知ったが、普通にしただけだよおっちゃん。彼女の怒りは不可解だった。タダという言葉と笑顔に惹かれて深く考えずに応じたのだが、散々な目にあってしまったのである。
彼女の逆鱗になにが触れたのか分からない、だけどあんなに怒らなくても良いだろう、とは思うが後味が悪いのだ。最初からタダを否定しなかったのがいけなかったのか。お金はいらないと言われたが、お金を受け取ってくれないと会わないと返事するのも何だか変だ。

旅の教訓 気持ちははっきり伝えよう
風俗はお金の介在する世界である。彼女たちは身体を張るのだから当然対価はいる。愛しあってそうするのは良いが遊びならばお金を介在させるべきだ。お互いの商取引なのだ。台湾でもタイでも日本でもお金は受け取ってくれる。彼女の怒りの理由は今でもわからない。
彼女に会って理由を聞いてみたいけれどもうその機会はない。会ってもあの夜の素晴らしさは再現されない。愛情があるほど怒りも大きい。女性の愛情と怒りはとても近いところにあるようだ。男のお金を介在させたい気持ちが、男には理解できない女心を傷つけたのだろう。素晴らしいリゾート、ニャチャンの最後の夜はほろ苦いものとなってしまった。
仲間はVIPマッサージに行って大変良い思いをしたらしい。私の話を聞いたらもちろん大笑いだった。
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